初年度は、さまざまな備品を用意することになります。
10万円以内であれば、一括で経費として計上しますが、100,001円以上の備品は資産として減価償却の対象になります。
移動に必要な自動車は大きな経費のひとつですし、パソコンの購入も重要な支出になります。
個人事業主の大きな買い物の経費計算について、ネットで探してみると、
「個人事業主の資産は、一括で経費として計上することをオススメ!」
という記事を見かけたので、本当にそうなのかな?と疑問に思い記事にしてみました。
減価償却の方法がいくつかある場合は、自分でどの計上方法にするのか、選ぶことができます。
都合のよい方法を選ぶようにしたいですね。
一括にするかしないか、悩む理由
課税対象金額を少なくしたいから。
法人も個人事業主も、理由はこれに限ります。
支払う税金は、できるだけ少なくしたいと思いますよね。
一括で経費にできる範囲
青色申告も白色申告も、10万円以内の経費は、一括で経費計上できます。
●8万8千円のパソコンを購入した場合の仕分け:
消耗品(または事務用品費等)88,000 / 現金(または未払金等)88,000
青色申告にしている場合は、30万円未満の場合、一括経費計上できます。
●299,999円のプリンタを購入した場合の仕分け:
消耗品(または事務用品費等)299,999 / 現金(または未払金等)299,999
300,000円以上になると、青色申告にしていても“通常の”減価償却の対象になります。
一括計上したほうがよいのはどんなとき?
売上げが大きい年は、大きなお買い物を一括経費計上することで、税金の支払いを減らすことができます。
年度末にその年の売上げをまとめたときに、30万円未満の費用をどうするか、判断するとよいと思います。
確定申告のときの決算書の書き方は、税務署のサイトが参考になります。
書類の書き方も↑のサイトにあります。
一括計上しないほうがよいのはどんなとき?
赤字になってしまいそうな年は、30万円未満の費用は原価償却資産として、数年に分けて計上したほうがよいと思います。
通常の減価償却年数は、品物によって異なりますので、国税庁のサイトをチェックします。
10万から20万円以内の費用は3年償却も可能
20万円未満の資産は「小額減価償却資産」として、3年で均等に償却することもできます。
年度末の売上げと費用の差し引きできめましょう
一括償却がよい場合と、一括償却しないほうがよい場合との見分け方は、年度末の売上げと費用の合計を差し引いて、限りなく0円~微妙なマイナスになるようにできたらベスト。
青色なら損失を繰り越すことができますが、3年間の期限付き。
古い年度の損失から消えていってしまうので、初年度は特に、資産計上する費用が多く発生すると思います。
初年度に「一括計上」ばかりしてしまうと、初年度の損失額が大きくなりますが、その後3年間でその損失額を相殺できないと、消えてしまい、とても、もったいない。
初年度に大きな売上げが発生した場合は、一括計がもちろんよいのですが、そうではなくて、これから事業を育てていくのであれば、通常の減価償却か、30万円未満であれば3年に分けた「小額減価償却資産」として計上するほうが、無難です。