合気道で技をかけるひとを「トリ」と呼びます。
技を受けるひとのことを「ウケ」と呼びます。
先日のお稽古で、脱力の重要性をヒシと感じました。
技がかからないのはなぜか
合気道の技は体の各組織、もしかしたら各細胞の力を指先や触れた場所に意識的に集める感覚があります。(このあたりの感覚は、人によって違いますし、認識も違うと思います。私の場合です。)
そこで、各組織の力(意識)を指先や手首に連れてくるときに邪魔になるのは
「筋肉」
正確には「筋力」がもっとも邪魔になります。
どんなにか弱い女性でも、筋肉は少なかれあります。
多くても少なくても、筋力を発揮してしまうと、せっかく体の奥底からあふれてきた各組織の力が途絶えてしまうのです。
そのことを実感するために、私の場合は勇気を出して、腰から上を脱力して(姿勢は保って)頭の中に、ウケの相手が技にかかった様子をイメージしながらそのイメージを追いかけるように体を動かしてみました。
すると、ほんの少しの力み(りきみ)が力の道を狭めてしまっていることを感じることができました。
なぜ、たくさんお稽古をしているのに、脱力するという自分ひとりで解決できることを試すことができなかったのか。
これは、それぞれの身体がこれまでの人生の中で学んできた経験があると思います。
ムリのない範囲で、少しずつ脱力を意識していくと、技のかかり方と自分の体感覚の関係を観察することができるようになり、おもしろみが増します。
ウケが取れないのはなぜか
美しいウケを取る先輩がいます。
小手返しなど、空を舞うようなウケを取ります。
なかなかそこまでたどり着けないのは、私の場合下手な受身で首から床に落ちてしまいそうだから。。。
先輩いわく
「師範の技にかかったら、かかったまま、釣られていくと、飛べる」
とのことなのです。
私は技にかかり、体(たい)を取られてしまうと、怖くなって体が固まってしまうことがわかりました。
固まってしまうことが分かったのは、力みを抜くことを意識するようになってからです。
体は頭と違って、経験から学ぶことを得意とします。
でも、「えいやー!」とムリをして、やりたくないことをガマンすることは、学びを遠ざけてしまいます。
できる範囲で、まずは肩から力みを抜いてウケを取るようにすると、これまでと違う技のかかり方を感じられるはずです。
丹田以外は骨ハリガネのイメージ(私の場合のまとめ)
今回の気づきは、丹田以外の場所の力みを抜くことを意識したことと、先輩の的確なアドバイスのおかげです。
ウケをとるときも、トリのときも、先輩の言葉の一つ一つを試して自分流にカスタマイズします。
丹田は、キュー!っと縦長に立っていて、それ以外の部分は、ハリガネのように細い骨だけで動いているようにイメージしたところ、技のかかる順番やかかりかたが体感できるように感じました。
力みを抜くことが苦手なときは、一箇所、軸となる部分を作るとよいと思います。
体に負担が少ないのは、丹田だと思います。
おへその下の、体の深層の部分から湧き出る力を指先まで伝えるイメージ。
精進します。